概要
原因となるアデノウイルスは小児期のウイルス感染症の原因として広く知られています。
現在、50種類以上のタイプが確認されており代表的なものは夏に流行のピークをむかえる咽頭結膜熱(プール熱)がですが、年間を通じて感染が認められます。
アデノウイルスはとても感染力の強いウイルスで、咳やくしゃみなどによって広がる飛沫感染、トイレの便・患者とのタオルの共用・手指を介してなど接触感染によって感染します。
感染した場合の潜伏期は5日前後と考えられています。
アデノウイルスの代表的症状
昔はプールを介して流行することがあったことからプール熱と呼ばれています。しかし現在では、塩素により十分に管理されているため、プールでの感染は稀となりました。
高熱が3〜5日ほど持続し、のどの痛みや目の充血を伴うことが多いです。高熱が持続することもありますが、1日の間で体温が変動しやすい(37-40度)ことが特徴とも言われています。
診察所見としては扁桃の発赤のみならず白苔を伴っている場合も多々観察されます。
アデノウイルスの検査方法
迅速診断キット(のどの奥を綿棒でぬぐい取るだけ)で簡単に行うことができます。
検査結果も15分〜30分程度ですぐに分かります。
アデノウイルスの治療
残念ながら特別な治療薬は存在せず、有効な抗ウイルス薬もありません。
必要であれば熱やのどの痛みをおさえるくすりを処方します。
高熱が4〜5日程度続きますが、水分が取れていて、ぐったりしていなければ経過をみて大丈夫なことが多いです。
その他に、眼症状が強い場合には、眼科的治療が必要になることもあります。
基本的な症状がすべて治まるのに1週間程度の期間が必要となります。
子供が感染者の場合、保護者の方はある程度長期的な治療を行う心構えが必要です。
アデノウイルスになった際の登園・登校について
感染力が強いウイルスであることから「咽頭結膜熱(プール熱)」は熱やノドの痛み目の赤みなどの主な症状が消えてから2日以上経過すると登園・登校できます。
アデノ咽頭炎のみの場合にも解熱後2日以上を経過してから登校が一般的ですが、自治体や保育園ごとに判断が異なる場合があります。
ご家庭で気を付けること
- 高熱の際は特に、充分に水分を与えてください。
- アデノウイルスは、唾液、涙、鼻水、便などから感染します。石鹸で手をよく洗いうがいをしましょう。
- 大人でもうつるため(特に目の症状)家族間でもタオルは別々のものを使用しましょう。
こんなときは受診してください
- のどの痛みが強くて水分をあまり飲まないとき
- 高い熱が3日以上続くとき
- 元気がなくてぐったりしているとき