赤ちゃんの股関節(先天性股関節脱臼)について
先天性股関節脱臼は、股関節が正常に入るべき場所からずれてしまう状態です。脱臼は生後すぐに起こるケースもありますが、多くは生後しばらくしてから気づくことが多いのが特徴です。脱臼がある場合は必ず治療が必要で、治療の結果次第では手術が検討されることもあります。早期に適切な対応をすれば、体の成長とともに問題をうまく乗り越えられることが多いです。
予防のために
生まれた時点ですでに関節がズレていることもありますが、多くは生後の生活習慣での影響によるものです。股関節に良い習慣と悪い習慣を知り、正しくケアすることが大切です。
赤ちゃんは自然にM字開脚の姿勢が基本で、股関節の動きを妨げずに自由にさせることが望ましいとされています。おくるみや厚手の衣類で股関節の動きを制限したり、タオルを膝に巻くなど股関節を圧迫する行為などは股関節に良くないため控えましょう。
赤ちゃんの抱っこ
抱っこの基本は「膝と股関節を曲げたM字開脚の姿勢」で抱く縦抱きです。横抱きやスリングは股関節を閉じることがあり、適切ではない場合があります。使う場合は股関節が開くよう配慮しましょう。抱っこ紐は正面向きで膝と股関節がM字になるタイプが適しています。
おむつの当て方と衣類
おむつは太ももを適度に開くように調整し、腰の位置はおへそと同じ高さになるようにします。股関節前外側の皮膚に赤みが出る場合は、オムツの位置が低いサインです。おへそが見える状態はオムツが小さすぎる可能性があります。
冬場の衣類は股関節の開きを妨げない薄手でゆとりのあるものを選び、股部ボタン留めのある衣類は避け、下半身を自由に動かせる服装を心がけてください。
向きぐせへの対応
3カ月を過ぎると首の筋肉が発達し自然と改善しますが、反対側の脚が伸びずに開脚が不十分な場合には対策が必要です。添い寝、授乳、抱っこの向きを工夫し、反対側の頭と体の下にタオルを折りたたんで差し込むなどして、反対方向へ向く筋力を育てましょう。
治療の基本と目標
赤ちゃんに脱臼が確認された場合は治療が必要です。初期には「リーメンビューゲル」という装具を使い、外来治療で8割程度は整復が見込めます。しかし約1割程度は軟骨を傷つけるリスクがあり、開放的な予防策としてパッドを用います。1歳以降に遅れて発見された場合は、入院による牽引療法が必要になるケースが多く、約2か月の入院を要することもあります。牽引でも整復されない場合は手術を検討します。この場合は専門的な医療機関へご紹介致します。
最後に
「この子は股関節脱臼かな」と感じるサインに敏感になりましょう。早期発見なら治療は比較的短期間で済み、手術が避けられる可能性も高まります。日本では乳児健診でのチェックが行われていますが、1歳を過ぎてからの診断遅延は依然として課題です。診断遅延を減らすためには、身の回りのご家族の気づきと早期受診が不可欠です。

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