水いぼ(伝染性軟属腫)

水いぼってどんな病気

水いぼ(伝染性軟属腫)は、伝染性軟属腫ウイルスが皮膚に感染性して起こります。つまりは感染症の一種で皮膚のバリア機能が未熟な7歳以下の子どもに多い病気です。

皮膚に伝染性軟属腫ウイルスが感染すると、皮膚につるっとした水っぽい光沢のあるいぼができます。いぼの中身は液体ではなく、感染したウイルスと変性した皮膚の組織からなる白っぽい塊です。

痛みやかゆみといった症状がみられることは少ないですが、搔きむしると水いぼの中に入っているウイルスが指先に付着し、そこから感染が次々と周囲に広がってしまうことがよくあります。

水いぼ1つ1つは半年から1年くらいで非常にゆっくと自然退縮しますが、肌荒れなどを伴ってかきむしってしまうと、全く治ることなく広がっているだけのようにみえます。

水いぼの原因

水いぼは接触感染によってうつります。

水いぼ自体は痒くないのですが、どうしても水いぼの部分が気になって、触ったり搔きむしったりした指先で体のあちこちを触ると感染が広がります。

直接触らなくても、タオルや洋服、おもちゃなどを共用することで水いぼに感染することもあります。

水いぼの症状

皮膚にできるつるっとした水っぽい光沢のあるいぼが特徴です。

水いぼ自体に痛みはありません。かゆみもないことがほとんどで、ほぼ無症状といえます。

しかし、アトピー性皮膚炎や乾燥肌をともなうと搔いてしまい、いぼ自体やその周辺が赤くなることがあります。

水いぼの治療

経過観察

文字通り、水いぼが増えてこないか様子をみる方法です。

半年から1年くらいで自然とよくなる子もいますので、様子を見るだけでも問題はありません。

しかし水いぼの数が非常に増えてしまった場合には摘出するのが大変になってきますので、どんどん広がる場合には皮膚科で下記の治療を考えましょう。

トラコーマ鑷子(せっし)による摘出

一番確実な治療は1つ1つがウイルスの核になっているので、その部分をトラコーマ鑷子(せっし)とよばれる特殊なピンセットでつまんで摘出することです。

しかし小さい水いぼの場合摘出しきれない可能性があることや痛みを伴う治療であることがデメリットです。

事前に麻酔のテープを使ってから摘出する方法もありますが、麻酔のテープが効果を発揮するのに時間がかかること、1回にとる個数が限られることなどがデメリットです。

冷凍療法・凍結療法

ウイルスを冷凍することで除去する方法です。

直接摘出するより当然効果は低いですが、ウイルスに直接ダメージを与えるので内服療法や経過観察よりも効果は高いといえます。

内服薬

非常に補助的ですが「ヨクイニン」の内服療法を行うこともあります。

「ヨクイニン」は、ハトムギの皮を除いた種で、古くから肌トラブルに用いられてきた生薬です。

消炎作用や体の水分バランスを整える作用があると言われ、肌あれや、水イボに効果があるとされています。

直接水イボにダメージを与える治療法ではありませんし効果は補助的で、自然経過とどれ程違うのかははっきりしません。

水いぼになった際の登園・登校について

プールなどの肌の触れ合う場では、タオルや水着・ビート板や浮き輪の共用を控えるなどの配慮が必要です。

法的な規制はなく保育園、幼稚園、学校を休む必要はありませんが、園や学校の方針によって異なりますので、園や学校に確認しましょう。

ご家庭で気を付けること

  • 接触感染により感染するため日常的にしっかり手洗いをしましょう。
  • お風呂で肌と肌を接触したり、タオルを共有しないようにしましょう。
  • 日ごろから皮膚の保湿を行いましょう(特にプール後は皮膚表面のバリア機能が低下しやすいので可能であれば保湿しましょう)。
  • 水いぼを衣類、包帯、耐水性ばんそうこう等で覆い、他の子どもへの感染を防ぎましょう。

こんなときは受診してください

  • 水いぼを搔きむしって化膿したとき
  • 水いぼの周りに湿疹ができて痒いとき

上記の症状があるときは、早めに受診しましょう。

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